下剋上の時代、その土地を治めてきた守護大名が生き残ることは至難の業でした。応仁の乱によって幕府の権威が落ちた後は、幕府より任命された大義名分は失われ内乱や当主の突然の死によって、家臣らに主導権を握られ傀儡化することは珍しい話ではありませんでした。
美濃の土岐頼芸なんてその代表ですね。尾張においては斯波家がそれでありました。ただし、傀儡化する側もされる側も一応のメリットはありました。下剋上によって尾張の主権を握った信秀は道三のように主君を追放することはせず、多額の献金や軍行動を起こす際にはあらかじめ斯波家に伺いを立てるなどリスペクトを忘れなかったことで奇妙な共生関係を保つことができました。
しかし信秀の死後、守護と守護代の関係は織田家の内乱によって崩れてしまいます。
守護・斯波義統を暗殺した守護代の織田信友は織田信長によって討伐されましたが、後を継いだ斯波義銀は信長の傀儡となることをよしとせず・・・
ということで、15話で取り上げられた斯波義統暗殺事件後、斯波家はどうなったのか解説していきましょう。