家臣の家臣のことを陪臣と言います。天下人となった秀吉がある日、御伽衆らに「天下を取るための三要素」を語った逸話が残っていますが、ここで秀吉はその三要素に大気と勇気と知恵を挙げており、全てを持ち合わせいないと天下を取れないと言います。
結局のところ、三要素全てを持ち合わせている人物はほとんどいないというのが秀吉の談なのですが、陪臣の中にも二要素までは持ち合わせている者がいると語ったとされ、そこに挙げられた武将らが「天下の三陪臣」と称されました。
そのメンバーが毛利家に仕える小早川隆景、上杉家に仕える直江兼続と2人は一線級の人物ですが、残る一人、堀家に仕える堀直政が選ばれています。このエピソードはいくつかのバリエーションがあり、上述の2人は固定のものの、直政の代わりに鍋島直茂や片倉景綱のパターンがあるのですが、いずれにせよ他の武将に比べて堀直政は明らかに知名度が一周り劣ります。
なぜ直政がそこまで評価されていたのでしょうか?今回は天下の三陪臣・堀直政について解説していきます。